ピボットテーブル:フィールドをドラッグしてレポートを組む
レポートの「ピボットテーブル」タブでは、表計算ソフトと同じ感覚でレポートを組めます。フィールドを行と列へ、指標を値へドラッグすると、マトリクスが現れます。「担当者ごとに一番売れている製品」のようなクロス集計を、ディメンション名や指標名を暗記しなくても出せるようになります。
レポートを組むには、これまで必ず「集計軸の名前」と「指標の名前」を先に知っている必要があり、たいていの疑問はそこで止まっていました。ピボットテーブルはその順番をひっくり返します。データセットのフィールドと指標が左に並び、必要なものを三つのゾーンへドラッグすれば、レポートは自動で組み上がります。数式も SQL も不要です。
場所
- メニューから「レポート」を開きます。
- 「ピボットテーブル」タブが一番目で、最初から開いています。他のタブ(シンプル・高度・探索)はそのまま残っています。
- 「データセット」を選びます。左のパレットに並ぶフィールドと指標は、これで決まります。
行・列・値
左のパレットには二つのリストがあります。「フィールド」(集計軸に使えるもの)と「指標」(件数・合計・平均を出せるもの)です。それぞれ、意味の通る場所にしか入りません。
- 行:フィールドを一つ以上、置いた順に積み重ねます。マトリクスの縦軸です。
- 列:フィールドは一つだけ。別のものを置くと入れ替わります。入れ子のヘッダーが二段になると表が読めなくなるためです。
- 値:指標を、置いた順に並べます。指標ひとつが数値の一列になります。
- 指標は「値」だけ、フィールドは「行」か「列」だけに入ります。違うゾーンへドラッグしても何も起きません。
この機能が生まれたきっかけの例:担当者ごとに一番売れている製品
- 「データセット」で「販売した品目」を選びます(商談の製品明細行のことで、製品・数量・実際の販売価格が揃っている唯一の場所です)。
- 「製品名」を「行」へドラッグします。
- 「担当者」を「列」へドラッグします。
- 「売上」を「値」へドラッグします。数量も見たい場合は「販売数量」も一緒に入れます。
- 「レポートを実行」をクリックします。
出てくるのは、あなたが描いたとおりのマトリクスです。1 行が 1 製品、1 列が 1 担当者、交差する場所に数値が入ります。いちばん右の列は各行の「合計」、いちばん下の行は各列の「合計」です。
日付フィールド:日・週・月・四半期・年
「行」や「列」に置いたフィールドが日付の場合、チップに日・週・月・四半期・年の粒度セレクターが付きます。初期値は「月」です。この粒度を変えるだけで、同じ表が日次のフォローから四半期の締めに変わります。作り直しは要りません。
期間・フィルター・比較
- 「期間」で相対的な範囲(今日、過去 7 日間、今月、今四半期、直近 12 か月など)を選びます。初期値は「全期間」です。
- データセットに日付が複数ある場合は、「日付フィールド」でどの日付を期間の基準にするかを選びます。選ばなければデータセットの既定の日付が使われます。
- 「フィルター」で「フィルターを追加」をクリックし、フィールド・演算子・値を選びます。表示される演算子はフィールドの型によって変わります。
- 期間を設定すると「比較対象」が現れます。「前の期間」か「前年同期」を選べます。
比較を有効にすると、指標ごとに隣へ列が一つ増え、(増減)と表示されます。選んだ期間と比較期間の差を百分率で示すものです。「前の期間」は選んだ期間と同じ長さだけさかのぼり、「前年同期」は 1 年さかのぼります。後者だからこそ 12 月と 11 月ではなく 12 月と 12 月を比べられます。比較の土台になる数値がなかった場合、増減は 0 ではなく空欄になります。すべてが変わった場所で 0 と書けば、何も変わらなかったと言うことになるからです。
すぐ使えるレポート
画面の上部に「すぐ使えるレポート」の帯があり、セクションごとにまとまっています。セクションをクリックすると中のレポートが並び、名前をクリックすると、そのままピボットテーブルに組み上がった状態で開きます。
- 経営、パイプライン、コンバージョン、営業活動
- フォーキャストと目標、見積と提案、失注
- 顧客とアカウント、マーケティング、キャンペーン、メールマーケティング
- マーケティングファネル、流入元とアトリビューション、SDR・インサイドセールス
- チャネルとパートナー、収益とリテンション、データ品質
保存・共有・エクスポート
- 実行したあと、「レポート名」に名前を入力して「保存」をクリックします。「保存済み」の帯に並び、名前をクリックすればそのままの状態で開き直せます。
- 設定を管理できる人は、保存時に「組織と共有」の選択肢が表示されます。チーム全員がそのレポートを見られるようになります。
- 削除は名前の横の ✕ から行います。削除できるのは自分が保存したレポートだけです。
- 表が画面に出ている状態で「CSV をエクスポート」をクリックします。書き出されるのは、いま見えているマトリクスそのもの(合計列も含む)で、データベースから返ってきた生のリストではありません。
数字を読み違えないための三つのこと
- 合計は足せるものだけを足します。合計と件数は総計に入りますが、比率・平均・最小・最大、そして増減の列はダッシュで表示されます。比率を二つ足しても比率にはならないからです。その場合は表の下にその旨が出ます。誰も検算しない数字を印字するよりも、そのほうが正直です。
- 空のセルは 0 ではありません。空は「その組み合わせがデータに存在しない」という意味です。つまり、その担当者はその製品を売っていません。0 はまったく別の主張であり、売上表では両者はまるで逆の判断につながります。
- 「値なし」は独立した区分です。フィールドが空欄のレコードは「値なし」と書かれた行や列にまとまり、常に最後に置かれます。「無い」ことは、先頭の座を争う区分ではないからです。
金額については、その注意はすでに済んでいます。通貨が違う値が足し合わされることはありません。指標が通貨のときは、CRM が通貨ごとに分けて計算し、あなたがどこにもドラッグしていなくても、表そのものが「通貨」の列を追加します。見出しには ⓘ が付きます。表の下には、その列が現れた理由を説明する一文が出ます。「足し合わせられない値をまとめないように、レポートを通貨で分けました。」通貨を横に並べて読みたいときは「通貨」を「列」へ移してください。すでに「行」か「列」に置いてある場合は、二重には入りません。
上限
- 「行」と「列」を合わせて最大 3 フィールドです。上限に達すると画面がその旨を伝え、新しいフィールドは入りません。先にどれかを外してください。
- 「列」は一度に 1 フィールドまで。残りの枠は「行」が使えます。
- 「値」に置ける指標は最大 12 個です。
- 表に取得されるのは先頭 1,000 行までです。それ以上ある場合は、フィルターを絞るか期間を短くするよう促す注意が出ます。標本だと気づかないまま読むより、絞り込むほうが確実です。
表示されるのは、自分に閲覧権限のあるフィールドと指標だけです。権限のない保護フィールドを使った場合、レポートは黙って不完全な数字を返すのではなく、はっきりしたメッセージとともに実行を拒否します。