SaaS 業種機能 · 概要
SaaS の業種機能は、サブスクリプション事業に合わせて SellioCRM を整えます。階層と統合ビューを持つアカウント、GRR と NRR を伴う独立した更新パイプライン、説明できるアカウントヘルス、そして収益の取りこぼしの作業待ち一覧がそろいます。任意機能で、初期状態では無効です。管理者が「設定」の「業種」で、または画面上の「SaaS を有効にする」ボタンで有効にします。
サブスクリプション事業の測り方は違います。受注は何かの終わりではありません。更新は毎年もう一度勝ち取るべき販売であり、顧客は取引先を変えないまま拡大も縮小もし、収益のかなりの部分が静かに失われます。決裁範囲を超えた値引きや、誰も請求しなかった利用分です。SaaS の業種機能は、この 4 つに名前と数字と作業待ち一覧を与えるために存在します。
業種機能が無効の間、CRM は何も変わりません。メニューに項目は出ず、SaaS の画面は業種機能が無効である旨を表示します。有効化は追加だけの操作で、いま使っているパイプライン、フィールド、自動化を変更しません。
有効にする方法
- 「設定」を開き、「業種」に進みます。
- SaaS の業種機能を有効にします。
- メニューの「SaaS」を開きます。近道が良ければ SaaS の画面へ直接入ってください。業種機能が無効なら案内が表示され、管理する権限があれば「SaaS を有効にする」ボタンが出ます。
- 管理権限がない場合は、管理者に連絡するよう画面に表示されます。有効にできるのは組織を設定する権限を持つ人だけです。
4 つのタブ
SaaS の画面には 4 つのタブがあり、それぞれがサブスクリプション事業で毎日出てくる別々の問いに答えます。
- アカウント: 顧客が誰で、グループ、アカウント、部門としてどう構成されているか。そして各社の統合ビューとして MRR、パイプライン(ARR)、ヘルス、未解決のチケット、利用シート数と購入シート数が並びます。
- 更新: 何がいつ満了するか、どのステージにあるか、基準額はいくらか、結果はいくらか、そして何より両者の差額です。上部には期間の GRR と NRR が出ます。
- ヘルス: 各アカウントのスコアです。モデルによる算出値と手動の調整値が並び、調整理由、区分、主要リスク、履歴が確認できます。
- 収益の取りこぼし: 未処理の検出結果の一覧です。種別、金額、重大度、検出日時に加えて、リスク総額が表示されます。
ARR と MRR が手入力の項目でない理由
SaaS の業種機能では、サブスクリプションを一連の変更履歴として扱います。プラン、シート数、価格の変更はすべて、適用開始日と金額を伴って記録されます。今日の ARR は誰かが入力した数字ではなく、それらの変更を今日まで適用した結果です。だから数字は監査できます。ARR がなぜ変わったのかと問われたとき、フィールドを編集した人を探すのではなく、その原因になった変更を指し示せます。
更新は独立したパイプライン
更新と新規販売を混ぜると、両方の数字が壊れます。営業担当はもともと自社の収益だった分で目標を達成したように見え、リテンションはレーダーから消えます。だから更新には独自のステージ、確度、結果があります。そして重要なのは更新がいくらだったかではなく、リスクにさらされていた基準額と、実際に残った結果との差額です。差額がプラスなら拡大、マイナスなら縮小で、ここから GRR と NRR が出てきます。
自らを説明するヘルス
ヘルススコアは、定着、利用、サポート、エンゲージメント、財務、関係性といった観点を、それぞれの重みで組み合わせます。各観点がどれだけ寄与したかに加えて、最も弱い観点である主要リスクも保持します。チームの誰かがモデルに納得できず数字を手で調整しても、その調整が算出値を消すことはありません。両方が調整理由とともに並んで表示されます。誰も監査できないスコアは、誰も信用しないスコアです。
収益の取りこぼしはレポートではなく作業待ち一覧
含まれる範囲を超えたのに請求されなかった利用、決裁範囲を超えた値引き、請求書のない有効なサブスクリプション、上がらなかった価格の段階、予定された改定のない更新。検出結果は 1 件ずつ、金額、重大度、日時を伴って一覧に入ります。3 月に見つかった取りこぼしはまだ取り戻せるお金ですが、年次監査で初めて出てくるものはただの昔話です。だからこのタブは、年度末のレポートではなく、状態を持つ作業待ち一覧になっています。
この画面がすること、しないこと
4 つのタブは参照用で、組織にすでに登録されている内容を表示します。アカウント、サブスクリプションとその変更履歴、更新、ヘルスの算出、取りこぼしの検出結果の登録は、この画面の外で行われます。サブスクリプションの基盤を CRM につなぐ作業の中です。タブが空に見えるときは、ほとんどの場合これが理由です。業種機能は有効になっていても、表示すべきデータがまだ入っていないのです。
- アカウントが未登録: 「アカウント」タブにまだアカウントが入っていません。
- 更新が未登録: その期間に契約条件が登録されていないため、GRR と NRR が空欄になることがあります。
- ヘルスが未算出: どのアカウントについてもスコアがまだ計算されていません。
- 未処理の取りこぼしなし: 何も検出されていないか、あったものがすべて処理済みです。
カスタマーポータル
同じアカウントには外から見た姿もあります。カスタマーポータルは、お客様がパスワードなしで開くページです。許可したメールアドレスを入力すると30分間有効なリンクが届き、自分のアカウントだけが並ぶページ(登録済みの契約と未解決のチケット)に着きます。それ以外は表示されず、他のアカウントの情報は決して混ざりません。
メールアドレスの許可は管理行為です。ある取引先の契約と対応履歴を、社外の人に渡すことになるからです。カスタマーポータルのタブは一覧をチーム全員に見せます(誰が見られるかを知ることも対応の一部です)が、「許可する」と「取り消す」のボタンは組織を設定できる人にだけ表示され、どちらの操作も監査証跡に残ります。
- SaaS の画面を開き、カスタマーポータルのタブに移動します。
- アカウントを選びます。
- 相手のメールアドレスを入力し、必要なら名前を添え、「閲覧」か「管理者」を選びます。役割は記録されポータルにも表示されますが、現在は追加の権限を与えません。ポータルは誰にとっても閲覧専用だからです。
- タブの上部に表示されるポータルのアドレスを相手に送ります。このアドレスに含まれるのは組織であってアカウントではありません。アカウントを証明するのは、リンクを受け取るメールアドレスです。
- アクセスを止めるには「取り消す」を使います。ページを開くたびに一覧を再確認するため、次のクリックから効きます。
ポータルが見せないものは、見せるものと同じくらい意図的です。ヘルススコアとリスク区分は CRM の内側に留めます。それは顧客に対するチームの判断であり、顧客が自分のページで「リスク: 高」を読むのは、宛先が自分ではない会話を読むことになるからです。ポータルは閲覧専用です。契約の変更やチケットへの返信は、いつもの担当者にご連絡いただきます。
次に読むもの
タブごとに専用の記事があり、手順と各列の意味を説明しています。アカウントと階層、サブスクリプションと ARR、GRR と NRR を伴う更新、アカウントヘルス、収益の取りこぼしです。